聞き取りが苦手なAさん



 当時中2だったAさんは、通っていた個別指導塾の授業についていけなくなり、 私の所でサポートを受けることになりました。

第一印象は、真面目な大人しい感じのお子さんでした。自己主張をするのが苦手で、 学校でもあまりしゃべらない静かな子だったようです。勉強面では英語と数学の授業についていけず、 平均点に届かない成績でしたが、コツコツと暗記をしたり問題集を解いたりすることはできていました。 しかし、成果が出ないのでお母さんも原因が分からず困っていたようです。

認知面の特徴を探りながら、 指導を始めて数ヶ月経ち、Aさんの基礎学力面での弱さや学校の授業で困っていたことが分かってきました。

まず、一つ目は学校の授業の聞き間違いが多いこと、二つ目は推論する力が弱いことから、 作文がとても苦手なことでした。

これらの点に配慮して授業を進めていきます。 中2の成績は英語は変わりませんでしたが、覚えている単語が増え、 数学の計算問題も以前より出来るようになりました。

中3の1学期の評定でこれまで低かった技術の成績が上がり、 担任の先生から私立高校のITコースを勧められます。 パソコンスキルを身につけてほしいという親御さんの希望もありその高校に進学することに決定。 推薦で無事に合格することができました。

高校生になってからも、英語と数学を中心にサポートを行い、テスト前には他教科も教えていきました。
定期テストの時に、自分の席の前に扇風機があり、直接当たるのが苦しかったという話を聞き、 「手を上げて先生に話した?」と訊くと、「言えなかった。」ということで、 中学校の時と変わらず自己表現が苦手でした。

高校の定期テストでは赤点はなく、各教科上位の成績をキープしていきます。評定も中学の時よりよくなりました。 そして、親御さんが医療関係ということで、高3の進路希望では、療法士養成の医療系大学と専門学校を志望校に選択。

志望校の高校推薦を受けることができて、私も面接と志願理由書の作成をサポートしていきます。 推論に弱みがありましたので、自分で文章を作成することが難しく、 志望動機を確認しながらサポートしていきました。 苦手な面接は繰り返し練習をすることで、学校からもOKが出ました。

しかし、志願理由書も書き上げ、面接も上手く話せるようになっていたのですが、残念ながら1校目は不合格。厳しく質問される圧迫面接だったことが原因でした。弱気な所があるので、緊張する場面で自分の考えを伝えることは、 彼女にとってとても難しいことでした。 気持ちを切り替えて、面接練習を再度行い2校目の受験へ。 そして、次の面接は落ち着いて質問にも答えることが出来て無事に合格することができました。 ご家族も私も本当にホッとしました。

その後は、3月の卒業まで中学の内容の理科や数学の復習も行い、無事に高校を卒業することができました。 5年間の私のサポートも卒業となりました。

振り返ってみると、推論が苦手で志願理由書の作成が困難だったり、 聞き取りが苦手で英語の授業について行けなかったりしましたが、 認知面の弱さに配慮を受けることで、乗り越えることが出来ました。 また、自分なりにどうすれば認知の弱さをカバーできるか、対処することもできるようになってきたと思います。

数ヶ月後、専門学校の授業の感想を聞いてみると、かなり難しいということでしたが、 何とかついていけているようです。応援していますので、資格の取得を目指して頑張ってください。

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