小学4年生から算数につまずきやすくなる理由について。



4年生ころから「算数が分からない」という子の声をよく聞きますが、 それはなぜかと言えば、抽象的な思考が増えるからです。

それまでは、具体物等でイメージしやすかったのですが、 4年生ころからグンと具体物がイメージしづらくなります。

ここで抽象という言葉について説明をしますと、犬や猫という言葉は具体的に想像することができますよね。 しかし、これが動物になると「動物」という言葉自体をイメージすることはできません。

イメージできませんが、この抽象的な言葉の「動物」という言葉を使い、人間は思考することができます。

これと同じことが算数でも出てきます。例えば大きい数。 億よりも大きい数というのは、こどもたちにとっては見たり聞いたりすることがほとんど ありませんから想像できません。

こどもたちは、そのイメージしづらい億という単位の数の操作や表現を学んでいくことになります。 抽象的な思考力は個人差がありますので、イメージが苦手な子はつまずいてしまいます。 他にも、図形の特徴や分数の計算等も、苦手な子がつまずくところです。

5年生や6年生になると、更に高度な思考力を使って問題を解いていきます。 ですので、4年生で算数が苦手になってきた子は要注意です。

ご家庭で算数を教える時に抽象的に考えることが苦手な子には、 分かりやすい具体的なことに置き変えて教えてみてください。

億という言葉がイメージできれば、苦手な子でも計算や表現について学ぶことができます。 きちんとしたイメージを自分なりに持つことで、大きな数のその後のつまずきは減ります。

分かりやすい具体的なことを一緒に考えてみてくださいね。

私はこれが得意で、授業が楽しいという理由の一つになっていると思います。